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教材別対策

体系数学(教材別の内部進学対策)

体系数学についていけない時の対策|原因と評定を守る立て直し方

「中学受験を突破したのに、体系数学だけはどうしても追いつけない」。そんな相談をよく受けます。これは本人の努力不足というより、体系数学という教材の作りと、中高一貫の進度が理由であることがほとんどです。結論から言うと、つまずきを単元単位で早めに補修し、基礎を優先して立て直せば、多くの子は流れに戻れます。ここでは、体系数学についていけなくなる原因と対策を、附属・系属校の内部進学に詳しい先生の視点で整理します。

この記事の対象
体系数学を使う中高一貫校の生徒/保護者
つまずく理由
先取り・体系的な配列と、速い授業進度
立て直しの軸
単元単位の早期補修と、基礎優先のやり直し
この記事でわかること
体系数学の特徴/ついていけない原因/立て直しの5手順/内部進学の評定対策/使う教材と塾の選び方
  • 体系数学
  • 中高一貫
  • 先取り学習
  • 評定
  • 内部進学
  • 数学のつまずき

体系数学とは|検定教科書と何が違うか

体系数学は、数研出版が発行する中高一貫校向けの教材です。正式名称は『6カ年教育をサポートする 体系数学』で、学年ごとに区切る検定教科書とは違い、中高6年間の内容を代数・幾何といった分野(系統)ごとに再編成しているのが最大の特徴です。シリーズ編者は埼玉大学名誉教授の岡部恒治氏で、多くの中高一貫校の教諭が執筆に協力しています(参考: 体系数学 - Wikipedia)。

構成は「代数編」と「幾何編」に分かれ、5つの系統・全8冊からなります。学習指導要領の学年区分にとらわれず、中学内容と関連づけたほうが理解が深まる項目は、高校内容でも中学段階で先に扱います。つまり「学年を縦断して、つながりで学ぶ」設計です。この設計自体は数学の理解を深めるためのものですが、進度が速い環境では、これがそのままつまずきの入口になります。

なぜ「ついていけない」のか|原因は本人でなく構造

体系数学についていけなくなるのは、多くの場合、本人の能力より教材とカリキュラムの構造に理由があります。中学受験を突破した生徒でもつまずく子は少なくなく、速い進度で問題集まで使いこなせるのはむしろ少数派だという指摘もあります。原因を分解すると、次の3つに集約されます。

つまずきの3つの構造要因

「頑張っていないから」ではありません。教材とカリキュラムの作りが、特定のポイントで負荷を集中させています。

  • 授業進度が速い。検定教科書より内容が濃く、基礎が固まらないうちに次へ進みがちです。一度の取りこぼしが後を引きます。
  • 中高を縦断する配列で市販教材が合わない。学年別の参考書では範囲がずれ、自分で穴を埋めにくい構造です。
  • 中3前後で高校分野に入り急に難化する。融合問題が増え、それまで乗り切れていた子も一気に手が止まります。

体系数学は検定教科書よりレベルが高く、学年・分野を融合した問題も収録されます。教科書本体は基礎から定番問題が中心ですが、傍用の『体系問題集』は難易度別に「標準編」と「発展編」があり、発展編のC問題は量・質ともに高めです。ここまでこなせる層は難関大学が視野に入るとされる一方、その手前で失速する子が出るのは、教材の設計上むしろ自然なことです。

つまずきを放置してはいけない理由

体系数学の怖さは、取り返す機会が少ない点にあります。対応する市販の参考書・問題集は数研出版から数冊程度と少なく、そのうち1冊は学校で配布される可能性が高いため、通常の検定教科書に比べて「自分で買って補う」選択肢が限られます。

疑問はその場で消すのが原則

体系数学は系統ごとに内容が積み上がるため、前の単元の穴が後の単元に響きます。分からない箇所を放置せず、その場で先生に質問して解消する習慣が、他教材以上に重要です。「あとでまとめて」は穴が雪だるま式に膨らみます。

代数編は特に積み上げが効くため、途中でつまずくと以降の単元がまとめて崩れます。逆に言えば、つまずいた瞬間に手当てできれば被害は最小で済みます。放置か即対応かが、その後の数か月を左右します。

立て直しの5手順|基礎優先で戻す

ついていけなくなった時に効く立て直しの手順を、記事群で定石とされる順に整理します。難しい発展問題に挑む前に、まず土台を固める順番が大切です。

  1. STEP 1つまずいた単元を単元終了後すぐ補修する

    次の単元に入る前に穴をふさぎます。放置期間が短いほど戻す労力は小さくなります。

  2. STEP 2予習で「分からなそうな箇所」を先に把握する

    授業前に不安点を見つけておくと、授業をその解消に使えます。授業の効率が上がります。

  3. STEP 3発展問題に固執せず基礎を優先する

    難関理系向けのC問題より、まず公式とその使い方など基礎を固めます。土台が先です。

  4. STEP 4やり直しで抜けた知識を言語化する

    「どこが分かっていないか」を言葉にし、必要なら基礎レベル(レベルAの類題)まで戻ります。

  5. STEP 5独学が難しければ対応した指導を使う

    体系数学に対応した塾・個別指導を活用します。進度と配列に合う相手を選ぶのが条件です。

ここで多いのが、焦って発展問題やC問題に手を出してしまうパターンです。土台が揺れているまま難問に向かうと、時間だけ溶けて自信も失います。まず基礎、次に応用。この順番を守るだけで、立て直しの成功率は大きく変わります。

なぜ内部進学で「体系数学の評定」が効くのか

体系数学のつまずきは、単に数学が苦手になるだけでは終わりません。附属・系属校の内部進学では、中学・高校の評定(成績)と出席日数が基本の判断材料になり、附属大学へ進む際は校内の成績順位が希望学部の選択可否を左右するのが一般的です。上位者から志望学部に配分される仕組みのため、主要教科である数学の評定を落とすと、行ける学部の幅が狭まります。

配点や基準は学校・年度で変わる

内部進学の配点方式(評定の点数化ルール、必要順位、資格加点、出席条件、総合学力試験の有無)は学校ごとに大きく異なり、年度で改定されます。学校によっては内部進学用の実力テストや総合学力試験、英検などの資格加点、課外活動も加味されます。個別の数値は在学年度の要項で必ず確認してください。

数学は積み上げ教科なので、一度評定を落とすと戻すのに時間がかかります。だからこそ、体系数学でつまずいた段階での早期の立て直しが、そのまま内部進学の順位対策になります。学校ごとの内部進学の仕組みは「学校別の内部進学ガイド」で個別に整理しています。内部進学の全体像は「内部進学とは」を先に読むと、評定を守る意味がつかめます。

日大附属など「基礎学型」の学校は対策が違う

内部進学の仕組みは学校タイプで分かれます。特に日本大学の付属校は独特で、取り違えると対策の方向がずれます。

評定型と基礎学型で軸が分かれる

「数学の成績を守る」目的は同じでも、何で評価されるかは学校で違います。

学校タイプ主に見られるもの数学対策の軸
一般的な附属・系属在学中の評定・校内成績順体系数学の定期テストで評定を安定させる
日本大学の付属主に基礎学力到達度テストの全国順位基礎学の傾向に合わせた基礎の定着

日本大学の付属校からの内部進学には「基礎学力選抜方式」「付属特別選抜方式」「国公立選抜方式」の3方式があり、割合の目安は基礎学力選抜方式が約7割、付属特別選抜方式が約3割とされます。中心となる基礎学力選抜方式では、全付属高校で一斉実施される『基礎学力到達度テスト』の標準化得点・全国順位が評価軸です。一方で、学内成績(内申)や資格・課外活動を評価する付属特別選抜方式も併存します。「校内の評定順ではなく基礎学の全国順位だけで決まる」と単純化せず、両方式が別の評価軸で併存すると理解してください。

基礎学力到達度テストは全科目同一配点のため、数学のような苦手科目があると総合順位に大きく響きます。出題は定期テスト範囲に沿うため、体系数学の日々の定着が、評定型でも基礎学型でも共通して効きます。日大系の仕組みは「日本大学の基礎学力到達度テスト」で詳しく解説しています。なお各方式の割合や求められる順位は年度・学部で変わるため、最新の募集要項で確認してください。

使う教材と塾の選び方|「配列に合う」が条件

立て直しに使う教材と指導は、体系数学の配列に合っているかで選びます。合わないものを足すと、範囲がずれて逆に混乱します。

  • まず学校配布の教科書と問題集に戻る。新しい市販書を増やす前に、『体系問題集』の標準編・基本例題を確実にします。土台はここにあります。
  • やり直しはレベルAの類題まで下げてよい。基礎に穴があると発展は積み上がりません。戻ることは後退ではなく近道です。
  • 塾・個別指導は体系数学に対応しているかを確認する。学年別の一般カリキュラムだと、先取り・融合の配列に合わないことがあります。

体系数学は市販の補助教材が少ないぶん、独学での立て直しには限界が出やすい教材です。家庭で抱え込まず、配列を理解している相手に「どの単元まで戻るか」を一緒に決めてもらうと、遠回りを避けられます。

まとめ

体系数学についていけなくなるのは、能力の問題というより、先取り・体系的な配列と速い進度という構造の問題です。だからこそ、つまずいた単元を放置せず単元単位で早めに補修し、発展問題より基礎を優先して戻すことが立て直しの近道になります。そしてこの立て直しは、そのまま内部進学の評定・成績対策につながります。数学は積み上げ教科である以上、早く手を打つほど戻す労力は小さくて済みます。

フゾカテには、体系数学を使う中高一貫を実際に通り抜けた「母校の先輩」の先生が在籍しています。お子さんがどの単元でつまずいているか、どこまで戻せばよいかを一緒に整理します。まずは無料の勉強相談から、LINEで学校名・学年・気になっていることをお送りください。学校ごとの内部進学の仕組みは「学校別の内部進学ガイド」もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. 体系数学についていけないのは、うちの子の能力が低いからですか。

多くは能力より教材とカリキュラムの構造が理由です。先取りで進度が速く、中高を縦断する配列のため、中学受験を突破した子でもつまずくことは少なくありません。単元単位の早期補修で戻せるケースが多いです。

Q. 追いつくには発展問題やC問題までやるべきですか。

まずは基礎を優先してください。難関理系向けの発展問題に固執する前に、公式とその使い方など土台を固めるほうが、結果的に早く追いつけます。

Q. 体系数学に合う市販の参考書は多いですか。

対応する市販書は数研出版から数冊程度と少なく、うち1冊は学校配布の可能性が高いです。取り返す機会が限られるため、疑問はその場で先生に質問して解消する習慣が重要です。

Q. 数学の評定は内部進学にどれくらい影響しますか。

多くの附属・系属校では評定・校内成績順で希望学部の選択可否が決まるため、主要教科の数学は影響が大きいです。ただし配点や基準は学校・年度で異なるので、在学年度の要項で確認してください。

Q. 日大附属なら評定を気にしなくてよいのですか。

いいえ。中心となる基礎学力選抜方式は主に基礎学力到達度テストの全国順位で決まりますが、学内成績を見る付属特別選抜方式も併存します。基礎学は全科目同一配点で数学の苦手が順位に響くため、日々の定着が有効です。

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